特別展飛騨の円空①
特別展「飛騨の円空」を見に本日上野の東博まで出かけた。円空と私のかかわりはかなり古い。中学生ぐらいの時、新宿の小田急百貨店で「円空展」がやっており、初めて円空仏を見た。実は私が仏像好きになったのは円空さんの仏たちがきっかけだった。その後大人になり岐阜県の高山と白川郷を巡る旅に出たときも、円空仏に会いに千光寺にでかけており、今回展示の「両面宿儺坐像」(りょうめんすくなざぞう)にお会いしているのだ。そのころは円空仏を見に千光寺までわざわざ行く人が少なかったみたいで、タクシーの運ちゃんに「円空研究家」と間違われたぐらいだったのをよく覚えている。今回の円空展では「両面宿儺坐像」をはじめ千光寺とその周辺の円空仏が一同に会し、今までの展覧会とは規模も違う円空仏ファン必見の展覧会だ。本館での開催のため会場は手狭だが人があふれ帰っていた。音声ガイドを借りてまず入り口の「賓頭蘆尊者」(びんずるそんじゃ)が善男善女に撫でられ黒光りしながら静かな微笑みをたたえていた。中に入ると像高80センチの33観音に圧倒されたり、像高2メートルの金剛力士が睨みをきかせたと思うと、像高20センチ足らずの「宇賀神像」があったりとまさに円空ワールドが広がっていた。やはり「両面宿儺坐像」はすばらしかったが、みうらじゅん氏が円空について熱く語っているコラムが掲載された美術手帳の表紙に載っていた「如意輪観音」にグッときた。興奮さめやらぬまま特別展「飛騨の円空」の図録とクリアファイルを購入して会場を後にした。
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