東京国立博物館140周年特集陳列館蔵仏像名品選③
今回の東博の展示で一番楽しみにしていたのが、浄瑠璃寺の十二神将だ。山本勉先生が運慶作品ではないかと指摘した仏像だ。昨年はガラスケースの中での展示だったが、今回はスポットライトにあたっての露出展示だ。東博には十二神将のうち5躯が展示されており、前に「博物館ニュース」の表紙を飾った「戌神」や「巳神」が後ろに「辰神」「未神」「申神」が展示してあった。この像のみどころは、力強い動きを誇張することなく的確にとらえていることと甲や衣に繊細な彩色を施している点だ。華麗な彩色や金箔を細く切って表した載金文様はこの像の発願者が相当な財力を持っていたことが伺える。いままで戌神にしか注目していなっかたが辰神についても目をひかれた。あらためて運慶作品としてみると見ないのでは印象が違っていた。今回一番印象に残った展示だった。
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