2011年11月19日土曜日

禅定寺の十一面観音

京都仏像鑑賞会2011秋1日目の午後は南山城の十一面観音めぐりだ。何ヶ月も前から準備しネットでタクシーを予約。いよいよ観音めぐりがはじまるという高揚感の中、車は宇治田原の茶畑のなかを進んだ。山門をくぐるとりっぱな茅葺き屋根の本堂がありまずそちらを拝観した。本堂から見える景色は美しくかの白洲正子が「陰国(こもりく)」と称したのもうなずける。収蔵庫に向かうと正面に十一面観音が居られた。住職の説明があり、仏像のうしろからの拝観も可能とのことでじっくり見た。写真で見るより大きな高さ3メートル、平安時代の観音菩薩で、少年めいた独特な表情ではるかかなたをみつめている。肩や腰の後ろににうっすら金が残るのみで、あとは焦げ茶色に光り、手に水瓶(すいびょう)を持つ。脇侍は日光・月光菩薩で共に藤原期の作。他に象に乗った大威徳明王や広目天・増長天もありじっくり鑑賞した。タクシーの運ちゃんの話では1年に何回かくるだけの穴場だそうだ。心置きなく一人で鑑賞して寺をあとにした。

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