2011年8月26日金曜日

空海のみほとけたち⑦(醍醐寺の薬師如来)

空海と密教美術展でおなじみの醍醐寺薬師如来に出会った。この仏像を最初にみたのは2001年に東博で開催された「醍醐寺展」でのこと。ワイルドな雰囲気の仏像に心ひかれ思わず写真を買い、今でも私の部屋に飾ってある。一昨年の秋京都を訪れたときも再会し、今度また再会することができた。この仏像は創建当初は醍醐寺の上醍醐薬師堂の本尊としてまつられていたものだ。濃い茶色に染まった体、野武士のような面構え、頭部が非常に大きいのが印象的だ。肉付きがよく、迫力がある造形は10世紀初頭の最高水準に属する仏像だ。光背、化仏は当初のもので、本尊によく似た顔をしている6体と合わせて七仏薬師を表している。何度も出会う薬師様に浅からぬ、えにしを感じた。

0 件のコメント:

コメントを投稿