2011年3月19日土曜日

興福寺の金剛力士像

平成20年奈良を訪れた際、興福寺国宝館に向かった。当時は蛍光灯の下ガラス張りで仏像を拝観する方法がとられていて、あの100万人が見た阿修羅像もいまいち迫力がなくあまり印象に残らなかった。しかし鎌倉時代の金剛力士だけは別だった。あうんの金剛力士像に目を奪われた。首すじに血管が表現され慶派のリアリズムを追及した表現がよく現れている。あうん双方の金剛の前では誰もが息を詰めてしまうだろう。仏師定慶の作だといわれている。この
定慶は作品が多く残っているが、運慶の父康慶との師弟関係もはっきりしない謎の仏師だ。東金堂の十二神将など定慶の作だといわれている。運慶に勝るとも劣らない力量がある。興福寺国宝館は昨年リニューアルして露出展示や照明などが変わったため、より迫力が仏像が鑑賞できる。機会があればまた訪れてみたいと感じた。

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