2011年1月3日月曜日

浄楽寺の阿弥陀如来

平成20年秋に横須賀の浄楽寺を訪れた。今回の仏像は「運慶仏」との出会い第二段となる。鎌倉の御家人和田義盛の依頼で造像された名品だという。秘仏御開帳の日に企画したが、今回から仏像好きのY氏も参加し3人での会となった。御開帳日とあって善男善女が多く拝観にきており、あらためて仏像ブームだと感じた。奥の収蔵庫に入ると中はいっぱいの人であったが、お寺の僧侶による説明が行われていた。本尊は阿弥陀如来。仏像クラブで春に訪れた願成就院の阿弥陀如来より極めて保存状態がよく、その他脇侍・毘沙門天・不動明王の計五体がある。浄楽寺の毘沙門天の体内から銘札が取り出され、昭和34年に運慶作とわかったいわれがある仏像だ。願成就院の阿弥陀如来はめずらしい説法印であったが、浄楽寺のご本尊は来迎印を結んでいる。運慶が施主の意向に沿って旧来の造像形式に回帰している可能性がある。私は願成就院が若く荒削りな運慶仏であるが、浄楽寺はより完成された穏やかな仏像になっていると感じた。ご本尊の写真が販売していたので、すかさず買った。われわれは帰りのバスを待ちながら浄楽寺運慶仏の感動に酔いしれた。

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