本日GW初日以前ネットで調べていた「三浦半島二大霊場大開帳奉修」に出
かけた。三浦半島にある28の不動明王のお寺と21の薬師如来のお寺が132年に一度の二霊場同年開帳を行うとのこと。京急グループもタイアップしていて「おトクなきっぷ」三浦半島1DAYきっぷを上大岡駅で購入して出かけた。事前にWEBから霊場情報を調べており本日のツアーでは運慶仏で有名な浄楽寺を訪れ、昼食は三崎漁港の老舗マグロ店でいただき午後は京急のポスターにでていた薬師如来のお寺を訪問する日程だ。新逗子駅で「三浦半島二大霊場大開帳奉修」のオリジナルてぬぐいをプレゼントされバスで浄楽寺へ向かう。今日は春の風の強いものすごくよい天気で浄楽寺に向かうバスの車窓から葉山の海がきらきらと輝いて見えた。浄楽寺は仏像クラブで何度も訪れており勝手知っている境内を収蔵庫に向かう。今日はご朱印をもらう人が多く参拝するため入口で名前といただきたい仏像のご朱印のメモを渡してから参拝した。久々の訪問だったがいつもの通り運慶仏はすばらしく、阿弥陀如来の彫眼と毘沙門天・不動明王の玉眼を見比べながらご朱印が書き終わるのをまった。しばし拝観していたかったがお昼をすぎており急いでバスを乗り継いで三崎港に向かった。
昨年行った滋賀県立近代美術館開催の「つながる美・引き継ぐ心展」ポスタ
ーの表紙を飾ったのが、この正法寺の帝釈天だ。像高1メートルの平安時代の仏像で胸元のフリルや衣文が美しく華麗に着飾った印象の帝釈天である。図録の解説を読むまで気づかなかったが、額に三眼をもつ密教系の帝釈天で頭部の毛筋彫りがきれいだ。張りの強い小鼻や、への字に結んだ口元などの表情からは、仏法の守護神としての意志の強さを存分に感じさせる仏像だ。この仏像は平成23年に韓国の国立中央博物館に出品され、滋賀の仏教美術の魅力を海外にも伝えたとのこと。時間がなくゆっくり鑑賞できなかったが、平成32年の新美術館での再会を楽しみに待つとしよう。
平成21年4月東博で「国宝阿修羅展」が開催された。私とU案内人は阿修羅
ファンクラブに入会し、会員限定の夜間特別拝観でゆっくりと阿修羅を鑑賞した。「国宝阿修羅展」ではみうらじゅんがよく言う360(360度)で拝観でき阿修羅の隅々まですぐ近くで鑑賞できた。その後阿修羅は九州国立博物館に移動して展覧会が開催され合計100万人の来館者があったとのこと。最近NHKで「阿修羅1300年の新事実」という番組を視聴した。九州国立博物館が2月に発表した「阿修羅は合掌していた」という問題に関するCTスキャンやX線での映像がより詳しく紹介された番組だった。阿修羅は肩の心木が脱臼しているようにはずれていて、実際は正中線上で合掌した状態で制作されたとのこと。これは阿修羅の通説を覆す説だ。この春興福寺では「天平乾漆郡像展」が仮金堂で開催され私も快慶展のあと興福寺に行く予定だ。この機会に久々に阿修羅との再会を楽しみたいと思う。
先月のことになるが、根津美術館で定慶の梵天・帝釈天を見たあと開催中
の特別展「高麗仏画」~香り立つ装飾美を鑑賞した。この展覧会は古美術書「目の眼」で紹介され掲載の写真の素晴らしさに眼を奪われたため、先月行くことに決めていた展覧会だ。仏像展と違い派手さはないが、静寂した館内でじっくり鑑賞することができた。高麗王朝は10世紀から14世紀までの朝鮮半島を治めた王朝であつく仏教をうやまい高い美意識のなか華麗で繊細な仏画が生み出された。13世紀の頃の仏画であるため会場では作品保護のため照明が落とされていたが、保存状態のよい根津美術館の阿弥陀三尊や泉屋博古館の水月観音など特筆すべき仏画もあり展示が楽しめた。表現で注目されるのが頭上から足元を覆う白く透明なヴェールである。極細の白線を格子状に表す事で、下に書いた絵の発色を損なうことなく、奥行感を感じさせる超絶技法だ。帰りに根津美術館の日本庭園を散策して都会の喧騒を離れ静かな時間を楽しみ帰路についた。